春の風に吹かれて
色々な事がありながらも、季節の移ろいは変わらずに春の訪れをつげる。
春には、芽が吹き、多くの花が咲き始めます。
光や風にさそわれて、小鳥のさえずりも、虫たちもうごめきはじめる。
そして、人々も、別れと出会い、そして、新しいことのはじまり・・・
そして祈りの季節でもあります。
3月は、過ぎたことを想って、たちどまってしまいそうになることも。
そんな時は、歌を歌い、ピアノを弾いて・・・
そんな気力が湧かないこともありますが、音楽を聴いていると、良い感じに落ち着いてきます。音楽が、心の拠りどころとなっています。
先日、報道で、ウクライナの避難民のシェルター内の映像がうつりました。
その中に、肩を寄せ合い、不安に怯える避難民の方々の中で、ひとり、ギターをつまびき歌う男性の姿が映っていました。
食べるものも何もない、今後どうなるかわからない不安な大変な状況のなか・・・
そのような中で、微笑みながら。
彼の傍らには、疲れた人々が、その歌に耳をかたむけているような様子でした。
「前を向いて歩き続けるしかない」
私が、つらいことを想うたびに、自分に言い聞かせてきた言葉ですが、
これを言えているうちは、まだ大したことではないなと思いました。
災害や戦争で何もかも失った、また、今まさに何かを失っていく人々の為に、いったい何ができるのかな、と考えます。
ギターをつまびき、歌う男性の姿が忘れられません。
この写真は、今は使われなくなった、近江楽堂での演奏写真です。
もうこの場所では歌えなくなりましたが、ここでの経験は、いつまでも心に残ることでしょう。記憶のなかの宝物です。
失う
もう取り戻せない過去の出来事
たくさん失いましたが、本当に必要なことが何かがわかりました。
過去の出来事を記憶にとどめつつ、未来というものが用意されている限り、前を向いて歩き続けます。
一歩一歩かみしめあじわいながら。
演奏の機会が、近くは、3月27日にあります。
La voce del Seicentoで、17世紀イタリア・バロックの音楽を演奏します。
お気に入りの曲Ego flos campiと、新曲Florete flores 他、にチャレンジします。
どちらも、歌詞にお花が出てきます。
お花になぞらえて、美しい女性のことを歌っています。
美しい詩の世界を、存分に表現できるように歌いたいと思います。
旧グッゲンハイム邸
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